西国三十三所へ④

2014年07月23日 23:43

今日はあいにくの曇天模様でしたが、日帰りで西国巡拝のお手伝いに行かせていただきました。勝田交通さんが主宰され、全10行程の内8回目です。朝5時30分に出発。朝から蒸し暑い一日でした。

今回は、第29番札所青葉山松尾寺(真言宗醍醐派:馬頭観音)→第28番札所成相山成相寺(真言宗系単立:聖観音)→番外霊場東光山花山院菩提寺(真言宗花山院派:十一面観音)と、若狭方面、丹後方面、三田、と広範囲の移動となり、三ヶ寺の巡拝となりました。

松尾寺(29番)では堂内でお勤めをさせていただき、職員さんからご丁寧にお寺の説明をいただきました。成相寺(28番)は沢山の観光客さんとお参りの方で境内がとても賑やかでした。花山院(番外)は掃除の行き届いた境内に皆感激! 

途中、丹後国一宮「籠神社(このじんじゃ)」へお参り。主祭神に彦火明命(ひこほあかりのみこと)をお祀りし、唯一神明造りの立派な社殿です。宮司さんとお話をすることができ、とても親切にご説明をくださいました。柵原の華蔵寺さんは「全国一宮巡り」をされているので、その話になり、宮司さんから、ぜひどうぞ、と全国一宮の地図をいただきました。いやぁこれは大変だ~(゚Д゚;)。全国百観音巡りが生涯かかるかも・・・って思ってるのに、全国一宮巡りは孫の世代までかかるんぢゃないかな・・・(゚Д゚;)。色々余裕があったら巡ってみたいとは思っています。

松尾寺(29番)ではお勤めの後、ご丁寧な説明をいただくことができました。西国霊場で唯一の馬頭観音さんをご本尊にされています。以前は内陣の内拝もされておられたそうですが、ある日お参りの方の不注意から大切な仏具を破損させてしまい、それ以降、内拝禁止となったそうです。

二重屋根の宝形造りで向拝は唐破風造り。立派な海老虹梁(えびこうりょう)のあるすばらしい本堂です。なお、近々、本堂を解体修繕される予定だそうで、美しい外観も見れなくなります。車でお参りに来ると、本堂すぐ横まで入ることができます。「お手植えのイチョウ」が境内にありますが、種が落ち、幹の周りに小さな芽が吹いています。

仁王門の横に「烏蒭渋摩(うすしま)明王殿」と名付けられたおトイレがあります。烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう:烏蒭渋摩明王)とは、清浄なる炎で不浄なもの(=煩悩)を焼き尽くすとされ、転じておトイレをお守り下さる仏様として知られています。こちらの像は男性用に掛けられているご尊像。お守り札は本堂で販売しています。

ちゃんとお許しをいただき、ちょっと失礼して、女性用に掛けられているご尊像。

  成相寺(28番)の本堂前には鉄湯船(てつゆぶね)の手水屋があります。日本三大鉄湯船と言われ、成相寺の他には奈良東大寺と地元天橋立知恩寺にあるようです。元々は成相寺のお風呂場でかかり湯に用いられていたといわれ、後に薬湯を沸かし治療したそうです。鎌倉後期正応三年の銘がある国重文です。

献灯と古い納め札が貼り付けられた京都府指定文化財の成相寺本堂。内陣内拝ができ、大きな涅槃図と本尊右脇侍の地蔵菩薩坐像(国重文)など素晴らしい寺宝を間近に拝見することができます。お地蔵さんの前には護摩壇が設けてありました。くれぐれも、勝手にあれこれと触らないように!

本堂外陣右側頭上には左甚五郎作と伝わる「真向の龍」が掲げられています。目を合わして左右に移動しても、ずっと龍が正面を見据えています。ただ、お参りの方が多く、納経場の前なので、なかなか龍を見ながら左右に移動するのは難しいw。

本堂前石段横の「一願一言地蔵」。600年以上昔のお地蔵さんと伝わり、欲張らずに一言で一つの願い事をすると必ず叶うとか。奥に見える朱色のお堂は西国霊場の三十三観音様がお祀りされています。因みに、このお地蔵さんのすぐ近くの鐘楼が、悲しい言い伝えのある「撞かずの鐘」です。

入山ゲート付近には五重塔がそびえています。400年ぶりに再建されました。立派だなぁ(゚Д゚;)。

入山ゲート横には弁天山展望台への登山道があります。「急な坂道でちょっと近道」or「緩やかな坂道でちょっと遠回り」のどちらかで登れます。写真は「急な坂道でちょっと近道」の方。もう一方は写真左手に進むと、五重塔近くにあります。

どちらを選んでも途中で合流し、このような道を登ります。

約5分ほどで展望台へ。絶景の天橋立(≧▽≦)。

丹後国一宮元伊勢「籠神社(この神社)」。山陰道唯一の官幣大社。主祭神の彦火明命が竹で編んだ籠船に乗って竜宮城へ行かれた故事にちなみ、籠宮と云うと伝えられています。新しく整備された綺麗な境内です。

苔むした檜皮葺きの屋根は、すこしふっくらした造りです。正面左横に社務所があり、縁起の記したパンフレットを100円で販売しています。巫女さんも居ますw。

西国番外霊場花山院の花山法皇殿。四十一歳でご崩御なされるまで、ここで仏道に精進されました。法皇殿には、花山法皇が帰依した十一面観音、左脇侍には木造花山法皇像、右脇侍にはお大師様ご尊像がお祀りされています。

境内、花山法皇殿正面には花山法皇御廟所があります。正面には香炉が置かれお線香のお供えができます。

左に見切れているのが花山法皇殿。お灯明お線香のお供えがあって、奥が花山院本尊の薬師如来がお祀りされている瑠璃光殿。お薬師さんの前には護摩壇が設けてあります。瑠璃光殿横には新しく幸せ七地蔵が立っています。掃除の行き届いたとても美しい境内で、静かな時間が流れる素晴らしい空間です(≧▽≦)。

寺務所前から望む有馬富士(≧▽≦)。花山院の参道は、とんでもないほどの急な坂道です(゚Д゚;)。車のすれ違いはお互い譲り合って。徒歩で巡礼されている方と参道ですれ違いました。道中の安全と無事結願を願っています。参道には琴弾坂という石碑が立っており、女人禁制でお参りできなかった法皇を慕う女官たちが、せめてもと、琴を弾いたと伝わる場所です。

勝田交通の運転手O谷さんは、早朝からの長距離運転や納経のお世話、各種連絡など一手に引き受けてくれる、スーパードライバーさんです。いつもありがとうございます。お疲れをためないようにお気を付けください。

 

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