常楽会

2014年02月15日 20:02

昨日23時より、高野山真言宗総本山金剛峰寺で厳修された常楽会は、お釈迦様のご命日に合わせてお釈迦様を称えるお勤めのことで、鎌倉時代の華厳宗の高僧の、京都高山寺明恵上人によって書かれたお釈迦様の一代記です。涅槃講、羅漢講、遺跡講、舎利講の四場面からなる四座講式で、普通に読めば20分もあれば読めるような文章ですが、一文字一文字に節が付いており、あるときは朗々と、またあるときは優雅に、はたまたリズム良くと、とても読み方が独特で、謡曲や長唄の起源になったと言われています。この講式の合間に、専学生が伽陀をお唱えさせていただくのです。常楽会(あるいは涅槃会)は日本全国各宗各派で奉修されているのですが、四座講式の形式で行うのは高野山のみです。各講式が3時間程あり、全部で12時間ほどかかる夜通しのお勤めです。

私は涅槃講のみを見学させていただきましたが、金剛峰寺を出たのが夜中2時40分でした。

とても素晴らしい法会であり、本山の中で行われる大切な法会なのですが、参拝者のマナーはもっと気をつけるべきだと感じました。専学生の関係者だからと言って大広間に行こうとする方、脱帽しない方、大きな声で話す方・・・。静かに参拝されている方も多いのに、とても残念に思いました。

朝6時30分から金剛三昧院は朝勤行が始まりますが、修行時代同様フルコースで参列させていただきました。上網さんにありがたいお言葉をかけていただきました。一宿一飯の恩義はやっぱり下座!今日は中日(月の真ん中の日)ですから、金剛三昧院では院内諸尊のお供えを特別なものに換え、さらに境内に居られる各明神様にも同様に新しいお供えをする日です。膝まで雪に埋まりましたw。

10時に金剛三昧院を出発し、奥の院へお参り。一の橋からは通行止めでしたので中の橋から御廟へ。さすがに参拝者は少ないですが、それでもお参りの方がおられました。奥の院では職員さんは掃除をされていました。お参りの少ないときこそ掃除をしなければなりません。いつもながら凛とした空気がたまりません。

10時に金剛三昧院を出発し、奥の院にお参りをして、花坂を下りて橋本市に着くまで2時間!高野山を下りると、昨日の雪はすでに溶けており、意外に暖かく感じました。近畿道から中国道と順調に進み、16時前に帰着しました。総走行距離500キロ以上、総運転時間15時間くらい。よい経験になりました。

 本山大広間での常楽会の様子。柵の向こう側は関係者のみ。奥の大広間に整列しているのが専学生。12時間の正座が始まります・・・。手前で火がおきているのは、「土室」です。大きな囲炉裏ですね。煙は屋根に抜け、柱材や檜皮屋根の防虫防腐効果もあります。正座をしなくても、私服でも、どなたでお参りいただけます。常楽会は夜通し厳修されます。

今朝の金剛三昧院。雪が・・・。積雪70センチくらいかな・・・。  

 

 中の橋からの参道は、職員さんが雪かきをしてくださっていました。

  参道途中の浅野家墓所に、なんと雪の重さで枝が落ちていました・・・。 

  御廟橋から奥は、奥の院の聖域中の聖域。脱帽で写真撮影は禁止です。心静かにお参りしましょう。

 

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